落としどころ
- 会長メッセージ
最終更新日:2024.09.03
落としどころ
大規模な商業建築に限らず、
住まいを考える私たちにとっても、
この「原っぱ」論はとても大事ですね。
お客様のこれまでの暮らしや今の暮らしから
将来の暮らしを思い描きつつ、
それらを踏まえた住まいづくりをしたとしても、
新しい住まいでのお客様の暮らしが100%その通り、
となるわけではありません。
お客様自身も思っていなかったような暮らし方をすることも。
お風呂やトイレで読書したり、寝室で映画を見たり、
キッチンですら、読書やサブスクを楽しんだり。
こんな暮らし方は以前では想定されていないこと。
ですから、住まい手の家族の成長や暮らし方、
住まいの空間の使われ方の変化にきちんと対応できるように
住まいを創ることが本当に大切なことなんですね。
とはいえ何も造りこまないただの空間のままでは、
それはそれで暮らしにくい。
住まいづくりにおいては、
どこまで造りこんでどこまで造りこまないようにするか、
その落としどころがキモ、といえるかもしれません。
つまり、余分なものをできるだけそぎ落とし、
必要なものひとつひとつの質を重視する、
ミース・ファン・デル・ローエの
Less is more という考え方なんですね
住まいづくりの奥深さ、改めて気づかされた記事でした。
これからもその人、その家族に寄り添いながら、
様々な変化に対応できる空間構成の住まいを
創っていきたいと思います。