「情の強さ」

「知・情・意」
 哲学者カントが提唱した人間の心の3つの働きの要素、知性・感情・意志のことです。
この3つが三位一体となってバランスよく働いてこそ、
人間としての人格が形成され、人間性を豊かにするそうですが、
現実には、それがとっても難しい・・・。

特に情（感情）はあらゆるところで無意識の内に強く影響を与えますよね。
例えば、人が物を買うときの真実として
「人は感情で買って、論理で正当化する」
とよく言われます。まさに的を射ていると思います。

本当に必要なものなのか冷静な思考からの購買ではなく、
「好き」「欲しい」という感情が優先し、
後付けで購入した言い訳を考えたり、自分を納得させていたり・・・。

購買でなくとも同じようなことが、この世の中にあふれているように思えます。
昨今、巷をにぎわしている様々なニュースに出てくる人たちの言葉は
まさに自分に都合の良い判断をし、その結果を後付けの理論で
正当化しようとしているように聞こえます。

いずれにせよ、私たちはとかく感情に流された判断をしがちであることを
理解しなければなりません。
その上で、今の自分自身の判断は本当に正しい方向に向いているのか、
きちんと冷静な振り返りをし続けることで、
次第に正しい判断ができるようになるはずです。

今回もエゴの話になってしまいましたが、
それほど自分のエゴというものはなかなか気づかず、
気づいても抑えられないものなのです。

末尾となりますが、ここで新年のご挨拶。
皆様、あけましておめでとうございます。
感情に流されない1年にしたいと思います。
本年もよろしくお願いいたします。