「距離感」
- 会長メッセージ
「距離感」
考えてみれば、私たちは生まれてこのかた
一般常識や習慣や慣習、あるいはしきたりといったようなものの中で暮らしています。
しかし、これらは誰にも同じように見えて、実は一人一人その認識は異なります。
それぞれが生まれ育った家や地域、学校、企業など、暮らしてきた環境がそれぞれ異なるからです。
少し地域が違うだけでもそのギャップは相当なもの。
違う国同士なんてことになれば、全く違うシロモノになるでしょう。
一人一人の考え方のモノサシが異なるのですから、
相手の考え方などすぐにわかるはずがありません。
相手と分かり合おうとすれば、必ず最初はぶつかり合うものです。
あえていうならば、ぶつかり合って初めて相手との距離感を計ることが可能になる。
この修羅場体験によって、それぞれが自分自身を深く見つめなおし、
その先に相手にとっての真実が見えてくる。
ヤマアラシのジレンマのように、お互いに痛みを覚えながら、
程よい距離感を見出していくのです。
そうはいっても、これはとってもつらいこと。
誰もが相手とぶつかり合うことを避けたいことでしょう。
しかし避けているばかりでは、決して相手のことを理解することはできません。
そして人間力というものは、こうした体験の積み重ねからしか身につきません。
新型コロナウイルスの感染が拡大し、不要不急の外出自粛が呼びかけられている今、
家庭内で大人も子供もストレスを抱えているそうです。
ネガティブなイメージばかりの期間ですが、改めて家族全員で話し合う機会を増やし、
お互いの理解を深められる機会としてポジティブに捉えてみてはいかがでしょうか。
この厄災が収束した時、家族として、そして一人一人の人間として成長している、
そんなイメージを思い描きながら・・・