原野 省三
アルスホーム株式会社
代表取締役会長
原野 省三

「許すこと、許されること」

  • 会長メッセージ
最終更新日:2020.07.01


「許すこと、許されること」

親に限らず人は誰でも大なり小なり、間違いを起こしてしまうもの。
そのほとんどは周りにいる人たちに迷惑をかけてしまうようなものだと思います。
自分自身、悔んだり反省したりすると同時に、相手に責められさらに落ち込んだり・・・。
そうしながらも、いつしかそのことを許されるとありがたい気持ちになりますよね。

反対に、自分の周りの誰かが間違いを起こし、自分に迷惑をかけられたとしたら、
その相手を許せるでしょうか。
相手の間違いに対して、自分が受容、許容できれば相手を許せるのでしょうけれど、
なかなかそうはいかない・・・。

相手を許すということは、自分自身に痛みを伴います。
自分自身の心の中での葛藤や軋轢といった負の感情を抑え、
許すという決断をしなければなりません。
そのためには、相手のその時の状況や立場、気持ちなどに目を向けること。
相手にとっての真実を深く理解しようとするうちに、
自分自身の心の痛みも和らげ、相手を許すことができるようになるのでしょう。

最近では、人同士の深いコミュニケーションが苦手だという人が多いそうです。
自分が傷つきたくない、葛藤や軋轢から逃れたい、嫌なことに巻き込まれたくない・・・
そんなことから安全な距離をとったコミュニケーションになってしまうのですね。
これでは相手と自分の相互理解が深まらない、常に浅い関係になってしまいそうですし、
相手のことを思い遣るということも希薄になってしまうのではないでしょうか。

人は心の痛みを体験しながら成長するものなのだと思います。
間違った相手を許すこともさることながら、自分もまた間違いを起こす当事者でもあるのです。
人から許されることで、そのありがたさを感じ、感謝することもあるのですから。
お互いに許し、許されるという経験が、自分を強く、大きな存在に育てていくことになると思います。

WEB会議やチャット機能など、遠距離でのコミュニケーションツールが普及している中でも、
人と人との深いコミュニケーションの大事さを再認識できました。