山海 満也
アルスホーム株式会社
代表取締役社長
山海 満也

極みが放つ美しさ

  • 社長メッセージ
最終更新日:2020.08.22

皆さんこんにちは。

お盆は過ぎたものの、暑い日が続いております。

先日、テレビで京都迎賓館についての特集がありました。

私は昨年のGWに見学しました。ついこの間のことですが、
家族で旅行に行ったことが今となっては懐かしく感じます。

建物は2005年から運営されており、
東京の迎賓館にある
谷口吉郎氏設計による「游心亭」と比べると、
新しいだけあって
今でもピカピカの新築という佇まいです。

建物そのものは、以前ブログで記しましたので割愛しますが、
まさに材料、技術ともに細部に至るまで、「至高の極み」です。

今回の番組では、実際の国賓の接遇のオペレーションの詳細について
紹介する内容でした。


まず、料理から庭、配膳などそれぞれの仕事は、京都の一流の職人が
総動員されます。彼らはその仕事を「出仕事」と呼ぶそうです。


例えば、庭の手入れレベルは、ピンセットで松の葉1本1本を手びろいして、
本来の美しい姿を維持しています。


また、テーブルセッティングもそれぞれの食器の位置はロープで出した
直線に沿って、寸分の狂いもなく配置されていきます。


心づくしも素晴らしいもので、館内各所に和花が飾られますが、
国賓の国旗のカラーを意識してコーディネートするなど、
細部まで
心配りがなされています。

私が見たときの迎賓館は、当然ながら一般向けに開放されている状態なので、
実際の設えはされていませんでした。

しかしながら、テレビで見た設えを施された姿は、
より一層
華やかで、艶やかな雰囲気に包まれていました。

この番組を見て改めて、一流を極めるという仕事のレベルを実感できましたし、
その仕事姿や仕事そのものが放つ「美しさ」に感動しました。

私どもは、「工芸」レベルの作品を日々作っているわけではありませんが、
同じものづくりをするものとして、細部まで
気を抜かず、心を込めた仕事の
重要性を再認識した次第です。


まさしく、仕事姿、
そしてまた作品から「美しさ」を感じる
住まい造りをしたいものです。


(天井は山へ分け入り、一本一本厳選された木から切り出された
12メートルの一枚板の中杢天井。座卓は漆を鏡レベルまで手で磨き上げた
一枚天板です。その美しさには圧倒されます)



仕組みや単純な作業から、そのような美しさを放つ住まいは生まれません。
作品の細部まで作り手の情熱を及ぼさないと実現しないのです。

我々が目指すべき「仕事観」を再認識させてくれた素敵な番組でした。