単純化の効用
- 社長メッセージ
皆さんこんにちは。
今回は「単純化」することの効用とその本質について
触れてみたいと思います。
そのきっかけは、現時点で決着のつかないアメリカの大統領選です。
とある日、テレビでトランプ大統領が演説している話を聞いていて
耳を疑う瞬間がありました。
彼曰く、
「ジョー(バイデン)は馬鹿で嘘つきだ!」
「ジョーが選ばれれば暗黒の時代になる!」
アメリカの大統領選となれば、いわば世界のトップを選任する
プロセスであると言っても過言ではありません。
にもかかわらず、現職大統領が同じく次期大統領候補に対して
粗雑な言葉を使い、馬鹿げた誹謗中傷を繰り返すのに非常に驚きました。
トランプ氏の主張の特徴は、理由や背景を全く説明しないことです。
恐らく良識ある市民は、それらの振る舞いや、その発言の真偽含めて
妥当かつ理性的な判断をするものと推測されます。
にもかかわらず、上記の発言を繰り返すのは狙っている効果があるからです。
では、どのような効果を狙っているのか?
それは「分かり易さ」です。
もはや細かい政策の違いや主義主張の違いをという論理の領域を超えて、
感情に直接訴えかけるために分かり易く扇動的な言葉を投げかけているのです。
無茶な主張に聞こえますが、現時点で半数近くの国民が彼を支持している
結果を見ると、当選の有無に関わらず成果はかなりあったと言えます。
解釈の仕方は色々あるので、彼の主張の正否をここでは取り上げませんが、
このやり取りを見て考えさせられた点があります。
自分は立場上経営に関する方針や日常の経営に対して
多数の判断を行う仕事をしています。
当然、そのプロセスの中で複雑な要因が絡みあったり、社員からすれば
伺い知れない事情を含めて判断を行うことも多々あります。
しかしながら、それらの判断に対して分かり易く説明する責任も
同時に負っています。
先の大統領選にあるように粗暴かつ扇動的なメッセージはいかがなものか
と思いますが、聞くものにとって分かり易いメッセージを発することは
とても重要です。
また分かり易いメッセージを発するためには、逆に詳細を熟知して、
その課題についてどこからでも詳細に説明できるレベルの深い理解が
不可欠です。
そのレベルまで理解して初めて、本質を押さえた単純かつ明快な
メッセージを発信することができるのです。
(とある日のけやき通りです。平地でも秋が深まりつつあります)
今回の大統領選で、分かり易く単純なメッセージを発信することの
重要性、有効性を再認識した次第です。努めて参ります。