三方よし
- 社長メッセージ
皆さんこんにちは。
随分秋が深まってきました。
先週はトロッコ電車に乗って紅葉を見に行ってきました。
鮮やかで素晴らしい景色に感動しました。
(前にトロッコ電車に乗ったのは、子供が小さい12年前です。
月日が経つ速さを感じました。)
さて話は変わりますが、今回は「三方よし」について取り上げます。
ご存知の方も多いと思いますが、江戸時代の近江商人の心得で、
「売り手よし、買い手よし、世間よし」を相成り立たせる精神を表した言葉です。
最近ではCSRやSDG'sなどという言葉がありますが、何のことはなく
同様の企業経営に対する理想は古くからあったことに気付かされます。
今回の本題は「三方よし」というコンセプトを我々一人一人に
焦点を当てて考えてみたいと思います。
話は変わりますが、会社という組織で働き始めると何らかの部署に
配属されます。そして、配属先で一定の仕事が割り当てられます。
通常は、それぞれの部署特有のスキルや知識が必要になる
いわゆる「専門職」として職能を身につけていくことになります。
そして、時間を経て一定の水準に達するとその道のプロになるわけです。
当然ながら役職も上がっていくことになります。
ここまでは誰もが想像しやすく、かつ、辿ることができる道です。
しかしながら、ここからさらに上の職位に上がる人と、
ここで停滞する人に二分されます。
専門職において一定のスキルを身につけると、「三方よし」の内
「売り手よし、買い手よし」の二つは安定して提供できるようになります。
しかしながら、そこから伸びる人と、伸びない人の原因を
個別に探っていくと、ほとんどが「世間よし」という考え方が
身について実践できるかどうかという点に行き着きます。
より具体的に言えば、伸びない人に共通するコンセプトは、
「今だけ、金だけ、自分だけ」です。
専門職として自己が確立されるに従って、自信もつきますし、
より自己承認欲求が高まるのは自然なことです。
ただ、大事なのは評価は他人が決めることなので、他人の期待に
応えることができるかどうかの方がもっと大事なのです。
伸びない人は自己承認欲求のみを視野に入れ、他人が何を
求めているかを考えず、不満を募らせやすいのです。
逆に伸びる人は、「これから自分は新たに何を求められるのだろう?」
という思考が芽生え、自分1人で完結する仕事観では今後成り立たないことに
自ら気付き、他人のニーズに応えるよう努力を始めます。
他人のニーズとは、組織への貢献と人材育成です。
具体的な声として「あいつがいてくれて助かる」「あの人のようになりたい」
そう言われる人物を目指し、努力する必要があるのです。
伸びない人の要素である「今だけ、金だけ、自分だけ」の人は
上記の評価を得ることはないでしょう。
まさに「三方よし」の「世間よし」が求められていることに気付き、
行動できるかどうかが自身の領域を広げられるかどうかの「分かれ目」なのです。
求める人生より、与える人生の方が圧倒的に有意義で幸せです。
近江商人の精神「三方よし」は、会社にも個人にも共通する
成功の前提となるシンプルなコンセプトです。
私自身も「世間よし」を心がけ、努めて参ります。