もう一人の自分との対話
- 会長メッセージ
もう一人の自分との対話
集団で一つの考え方や価値観を盲信してしまったなら、誰が何と言おうと
より意固地になってしまうように思えます。
そんな状態が続くと、間違いや、他の選択肢に気づかせてあげようとする人たちも諦めてしまったり、
より過激に間違いを指摘し、お互いに激しく対立してしまう。
今、世界中で起きている現象はこんなことなのかもしれません。
個人においても同じようなことが言えると思います。
自分だけの強い思い込みがあると、周りからの言葉は耳に入りません。
アドバイスしている側としては、よかれと思って言っているのですが、
それを無視されたりはねつけられたりすると、「もういいや」となったり、
親切心が敵意にすり替わっていったりするものです。
そうなってしまった時、自分の中にいる冷静で賢いもう一人の自分の声に耳を傾けることができるかどうか。
「今の自分の判断、行動は最善なものなのか」「本当にそれでいいのか」・・・と。
それができなければ、ずっと自分の視野狭窄を直しこともできず、
多角的に物事を捉えることもできないまま、人としての成長は止まってしまう。
では、その賢いもう一人の自分はいつ現れるのでしょうか。
それはその日の自分自身の言動や状況、相手の言葉や表情など、つぶさに思い出しながら
相手の立場に立って振り返り、追体験をする、その時です。
「真夜中の反省会」ともいわれますが、静かに自問自答していると、
もう一人との自分との対話ができるようになるでしょう。
そして、日誌をつけるように、そのことを書き出しておくことです。
それを日々行うことで、自分自身が一つの考え方や価値観に固執してしまうことを
防ぐことができるのではないでしょうか。
それが、周りの声に耳を傾けることにもなりますし、
円滑なコミュニケーションをもたらすことになると思うのです。
自分の中にいるもう一人の自分との対話、決して忘れてはなりませんね。