山海 満也
アルスホーム株式会社
代表取締役社長
山海 満也

育たない理由

  • 社長メッセージ
最終更新日:2021.07.31

皆さんこんにちは。

今回は人材育成について考えてみます。

先日、ある社外の人と面談した際にこんな話がありました。
彼の悩みは「マネージャーが育たない」というものでした。

私のこれまでの経験からいくつかの可能性があると思いました。

まず一つ目は本人要因です。

本人要因の最大のものは、本人の願望の中にマネージャーとして
理想とするイメージが形成されていないことが挙げられます。


理想とするイメージがないだけに具体的な準備をする段階に入りません。

従ってマネージャーになった瞬間、何をすれば良いか解らず、
これまでの仕事にしがみつく事になります。

これに対する一番簡単な処方箋は目標とする上司を設定する事です。

「あの人だったらどう考えるか?」
「あの人だったらどう発言するか?どう処するか?」
「いずれあの人の立場に立った場合、現在自分が足りない要素は何か?」

なりたいポジションに自分を借り置きして、目標とする人の言動に注意を払い、
常に自分と比較して「自分だったら」という視点で事前に学習を重ねて
仮想的にトレーニングしておくことが重要です。


次にある大きな原因は上司の育成力不足にあります。

ほとんどの場合、上司は育成責任を感じていますし、
部下の成長を願っています。

しかしながら、現実には具体的な策が講じられていない
ことがほとんどです。


もっと掘り下げると部下の育成課題が不明確なのです。

育成課題が不明確だと、当然具体的なアクションプランは
曖昧なものか的外れなものになりがちです。

部下のいる人は自分に問いかけて確認してみましょう。

明確な課題とアクションプランが出てこない場合は部下育成が
うまく機能していない可能性があります。

他にも重要な論点はあるのですが、部下育成がうまくいかない
場合の初歩的なポイントを記してみました。


話は外れますが、オリンピック東京大会において
日本の柔道
が際立った強さを見せています。

想像するに、井上康生監督と選手との間の強い信頼関係をもとに、
それぞれの選手の課題の明確化と、それに対するアクションプランが
極めて有効に機能した結果だと思われます。


(前提条件に信頼関係が不可欠です。そのためには誠実であり続ける努力が必要です)

競技のみならず育成という視点でオリンピックを観るのもいいですね。