山海 満也
アルスホーム株式会社
代表取締役社長
山海 満也

本気で叱る

  • 社長メッセージ
最終更新日:2021.10.23

皆さんこんにちは。

今回はリーダー、マネージャーという立場の人が
養わなければならない心の姿勢について記します。


先日、とあるマネージャーと面談を行いました。

彼はある部下の扱いに困っているようでした。

彼は年齢的にもミドルクラスで実務経験やスキルは
一流のものを身につけています。

しかし、ことマネジメントについては悩んでいる様子です。

彼の話を聞いていると、自分が若かりし頃の経験が鮮やかに蘇りました。

当時の私は29歳であり、私を悩ませていた部下は30代の年上でした。

何が原因で悩まされたかというと、一言で言えば「激しい」のです。

自分の意見をしっかり持っているといえば聞こえは良いのですが、
意に反する出来事があると激烈な感情を表出するのです。

詳細は割愛しますが、あるとき、彼の案件で問題が発生したので
最終的に当時の経営層にも相談した上で、ある判断を下しました。

その判断は彼の意に沿うものではありませんでした。

いつもの如く怒りを表に出し大きな声で荒れた感情を出し続けました。

どこかで彼にその点について改善を求める必要があると感じていたので、
その時がまさに良い機会と判断した私は、彼の怒りと対峙することにしました。

まず、怒り狂う彼の主張を罵詈雑言含め全て聞きました。
何も言う事が無くなるまで聞きました。

その上で、我々上司の視点と経営層の視点も含め、斯様な判断に至った経緯を
詳細に伝え、彼の意には沿わないことに対して理解を示しつつも、
我々の視点と思考に誤りがあるのかを問いただしました。

そこまで来ると、怒り狂っていた彼も会社の下した判断に一方的に不満を
爆発させる正当性が見当たらないことに気づいたようでした。

その上で、最後に彼にそのようなコントロールできない感情を
そのまま表出することを今後はやめるよう努力するように言いました。

また、その理由を丁寧に伝えるとともに、彼に成功して欲しいという
気持ちからのアドバイスであることを真剣に伝えました。

その真剣な思いが彼に伝わったのか、それ以降彼は決して
粗暴な振る舞いをしなくなり、それどころか私の意を汲んで
上手にフォローしてくれるまでになりました。

従って、先のマネージャーにも扱いに困るのではなく、期待する関係と役割を
明示するとともに問題に対しては本気で叱るようアドバイスをした次第です。


しかしこういうケースはたくさんあるのではないでしょうか?

扱いに困る部下はいつの世にもいるものです。

それは、相手が扱いに困る厄介者というだけではなく、その上に立つ
上司が毅然と対応して正しい行動を教えることができていないという
ことを同時に指し示しているのです。

ちなみに本気で叱るとは、大きな声を出すことでもないですし、
立場の違いを利用して高圧的に理解を求めることではありません。

あくまでも部下にとってどうあるべきなのかを親身に想いつつ、
その上で厳しい直言を理由含め丁寧に伝えることが大事です。

上司諸君。本気で叱れていますか?

良きリーダー、マネージャーになるためには
必ず習得しなければならない心の姿勢です。