山海 満也
アルスホーム株式会社
代表取締役社長
山海 満也

知らない事を知る

  • 社長メッセージ
最終更新日:2022.01.29

皆さんこんにちは。


今回は非常に難しいテーマです。

私も常日頃仕事をしていて細心の注意を
払わなければならないテーマです。

改めて気付かされた出来事は、トンガで起きた火山の
爆発による衝撃波が起こした津波でした。

当時、気象庁はその途中にある島々にも津波が観測されなかったことから、
日本に及ぶ影響はないと判断したそうです。

しかし、実際には各所で津波が観測されたので避難指示の
発出につながったとのことでした。

後々詳細を聞いていると、今回はいわゆるこれまで
前提条件となっていた津波ではないとのこと。

したがって、数日にわたって原因が「解らない」という状況が続きました。

たまたまアラート発出の仕組みの類型の一つに「津波」が
あったので、それを活用して警報を発出したということでした。

国内の英知を集めて運営されている気象学の世界に、未だ解明されていない
自然のメカニズムがあることに大きな驚きを覚えました。

有史以来、特に明治の黎明期以降はこのような出来事を繰り返しながら、
さまざまな分野で学問として体系化されてきたものと推察されます。

この単純な知見が積み上がる構図の中で最も重要なのは
「知らない」ことが明らかになっていることなのです。

これは個人についても同じことが言えます。

私がこれまでたくさんの人を見て来て、仕事ができる人は
「知らないこと」に対する反応を確実に行います。

「ちょっと具体的にもう少し詳しく教えていただけますか?」
「ぜひ、学ばせてください。知らないことなのでとても興味があります」

そうやり取りしながら仕事を進めていくので、職能が「太る」のです。

反対に仕事のできない人の特徴は、「知らない」ことに気付きません。

したがって、仕事に潜む他の可能性や危険性に気づくことができず、
仕上がりは「浅い」ものになりがちです。

今回の気象庁の発表を見て、改めて「知らないこと」があることを思い知らされましたし、
常に謙虚な姿勢で取り組まなけれならないことを再認識した次第です。

相手の言葉を適当に受け流さず、自分に問いかけ
「知らない」ことは率直に伝えましょう。

実は知らないことより、知ったかぶりをする方が圧倒的に信頼を失います。

むしろ、相手はほとんどの場合喜んで教えてくれます。

「知らないこと」に気づき、教えてもらう事を
習慣化したいものです。