窓を考える
- 社長メッセージ
皆さんこんにちは。
今回は、住まいを造る上で重要なパーツである
窓について考えてみます。
ちなみに私は26年前に自宅を建築し、
当時の性能の最高水準を目標にして建築しました。
また、3年前からウィークデーは仕事用のマンションに住んでおり、
戸建てとは異なる環境で過ごしています。
そうした住まいの体験の中で、
窓に関する概念が変わりつつある自分に気付きます。
まず、私が自宅を構えた26年前は、
窓というのは大きくたくさんあるほうが
住みやすいとされていました。
自宅は気密性能にこだわったので、
サッシそのものの性能と開口の開き方にこだわりました。
しかし、見識が乏しかったため
住み続けるうちに、いくつかの不便な点も発生しました。
それは、
①開口数が多いので、熱損失の観点からは不利に働く上、
結果的にほとんど開けない窓が結構ある
②外部環境との遮断を重視したので中間期の自然換気風量が少ない
③南側の開口に庇や屋根が無いので夏は強い日射が室内に入る
等々です。
ちなみに普段住んでいるマンションの方は
上記の3点を全てクリアしていて、
中住戸のため開口数と方向が限られていますが、
日射の取り込みや風通し、快適環境は圧倒的に自宅よりも快適です。
また、窓の他の機能は、外の景色を取り込めるという点にありますが、
逆も然りで配慮を怠ると外の視線が気になります。
ある有名な建築家は、この点について
窓は気持ちの良い方向に限定的に抜けていればOKで
たくさん設置する必要はないという見識を述べていました。
そう考えてみますと、窓の設置の仕方は奥深いものがあります。
①必要な明るさと通風量を適宜確保すること
②気持ちの良い景色を取り込める窓を計画的に設置すること
③冬の熱損失を考えて不要な数の設置を避けるとともに
南側や西側は夏の日射侵入対策がなされていること
また、これまでの標準的な考え方である
各セクションにおける2面に開口を設けるという点も、
場合により見直してもよいかもしれません。
性能を確保しながら心地よさや快適性能を
バランスよく実現するには、開口計画はとても重要です。
加えて電気代が高騰する中、窓の配置計画は
これまで以上に工夫が求められます。
窓に関する見識をアップデートして省エネかつ快適な
住まいづくりを提案できるよう努力する所存です。