山海 満也
アルスホーム株式会社
代表取締役社長
山海 満也

事後から予防へ

  • 社長メッセージ
最終更新日:2023.10.28

皆さんこんにちは。

今回は住宅のメンテナンスについて記します。

私は、戸建て住宅とマンションの2拠点居住をしており
このような居住形態を始めて早3年です。

住んで再認識させられるのが、
メンテナンスに対する考え方の大きな違いです。

生産管理を学んだことのある人はご存知だと思いますが、
故障に対する対応方法として「保全」があります。

この保全はいくつかの種類があるのですが、
故障が起きてから対応するのが「事後保全」となります。

また、それとは反対に故障が発生する前に
修繕対応するのが「予防保全」です。

同じ人が住まう住居でありながら、戸建て住宅とマンションでは
この保全に対する考え方が全く異なります。

現実的には、戸建て住宅は圧倒的に
事後保全となる修繕が圧倒的に多いと言えます。

反対に、多世帯が暮らすマンションでは
事後保全では修繕に対する合意形成が煩雑になることから
予防保全の考え方で計画通り修繕されることになります。

ちなみに、私の所有するマンションでは
購入時点で50年の長期修繕計画が策定されています。

来月にも3年に一回の各戸配管洗浄を予定しており、
これも長期修繕計画に基づき実施されます。

反対に、所有する戸建ての方は、
私がこういう仕事をしていることもあり
予防保全的にメンテナンスを実施していますが、
同じ町内のお住いを見渡すと、
とても計画的にメンテナンスがなされているとは言えません。

また、長期優良住宅などの制度もありますが
恐らく実態としては機能不全に陥っていると推察しております。

ちなみに住んでいる者としての実感では、
マンションの予防保全的アプローチの方が圧倒的に安心感があります。

またメンテナンスを居住者が気にしなくても良いので
精神的負担がないので楽です。

加えて、不都合が生じてから修繕完了までの時間が
発生しないのでストレスもありませんし、
予防的に修繕を済ますので経年劣化も極めて限定的に抑えられます。

昔から、日本の戸建て住宅の耐用年数が短いことは
広く知られていることですが、メンテナンスに対する姿勢も
原因の一つではないかと思います。

事後から予防へ

施主への啓蒙と修繕姿勢の転換が、
我々の担うべき大きな課題だと考えています。

永くお住まい頂く為にも息長く努力を続けて参ります。