山海 満也
アルスホーム株式会社
代表取締役社長
山海 満也

半比例する責任

  • 社長メッセージ
最終更新日:2019.11.18

 

皆さんこんにちは。

この時期らしい、爽やかな陽気が続きます。

さて、今回は最近感じる、新たな視点での「責任」について
触れてみたいと思います。

もとよりアルスホームは富山県で営業を始めました。

そして、今から10年前の平成21年に初めて県外への進出が実現しました。
場所は金沢で普段から行き来するエリアでありながら、
県境をまたぐのは、非常に大きなチャレンジでした。

そうこうするうちに、金沢で二つの展示場の持つに至り、
昨年、平成30年に福井への出展が実現し、
北陸3県にわたり営業展開をするに至りました。

不思議なもので、出展前は全くいくことの無いエリアであっても
営業を開始して、普段から行き来するようになると、
もとから住んでいたかのような愛着が湧いてきます。

物理的な距離を考えると富山の東部から福井西部までの
実質的な距離は200キロ弱にもなります。

普段富山で仕事をしていながら、150キロ以上離れた福井で
社員が働いていたり、現場が動いていることを想像すると不思議な感覚を覚えます。

遠隔地の社員とテレビ会議を行っている時などは特に強く感じます。

この不思議な感覚はどこから来るのか?
自分に問いかけて見えてきたのは、「距離感の喪失」です。

同様に、入社してくる社員や学生の採用面接においても、
福井出身者が増えてきたこともあり、
いつの間にか距離に対する違和感が無くなってきています。

このように、10年弱という年月で営業エリアが大きく拡がり、
それに伴って物理的な距離感を喪失する中で、
逆に大きな課題として見えてきたのが、会社が担う「責任」です。

会社が担う責任は多岐に渡ります。

お客様に対する長期的責任。
社員に対する安定的雇用や成長の場を提供する責任。
現場で住まいを造って頂いている職人さんに対する責任。
法人格として果たすべき社会的責任。

それ以外も様々なステークホルダーに対する責任があります。

そう考えると、200キロ弱の営業エリア内にあるアルスホームの責任は、
社員100人だけではなく、関係者及びその家族の暮らしも含まれてきますから、
それなりに大きなものになっていることになります。

かねてより、家造りも経営も真面目に取り組んで来た自負があります。

しかし、大きくなりつつあるステークホルダーの要望に応えることが
できているかどうかを自身に問うと、
まだまだ不十分な点がたくさんあることに気付かされます。

今後も会社が成長し、他のエリアに進出することになった場合を念頭に置いて、
しっかりと説明責任を果たせる会社になる必要があります。

距離感の喪失とは反比例して担うべき責任が大きくなってきました。

それらにどういう順番でどう答えていくのか?

頭の中で、様々な課題が交錯しています。



(今回の出張の際に見学した「すみだ北斎美術館(妹島和世設計)」です。
催されていた企画展も見ごたえがありました)

出張での新幹線の車中、250キロで流れゆく春の陽の穏やかな情景に
自身が担う責任の重さを改めて認識した次第です。

一つ一つ誠実に取り組んで参ります。