設計の日常風景
設計部門の磯野です。
1月1日、人生初めてのそば打ち体験。
まさかそのわずか5時間後に人生初めての震度5強という地震を体験するとは当然ですが想像もしておりませんでした。その衝撃も冷めぬまま それでも時は流れて年度初めを迎えようとしています。
例年のごとく昨年の10月初旬より設計部門の課題についてリーダー間で協議を繰り返し、全員の意見も集約しながら ようやく先日 4つの取組課題に取りまとめ完了しました。3月はその課題へ取り組む準備の期間です。 今日はこの場を借りて 取組課題の詳細は割愛しますが、そのベースとなる 次年度の設計部門方針についてお話ししたいと思います。
次年度の方針は 『設計に没頭し、高め合い成長する集団』 です。
少し過去を振り返ります。私がこの会社に入社し20年が経とうとしています。入社した頃の設計オフィスは図書館の自習ブースのように衝立に囲まれ、 ほぼ誰にも干渉されることなく、日々たばこの煙と共に黙々と個々で作図やプランニングに没頭していました。 会議も少なく、働き方改革や絶え間なく入るLINEもない時代でしたので、自分の裁量で納得するまで技術の研鑽を重ねたことを思い出します。
今から思えば情報交換が少なく、非生産的なことも多かったと思いますが、貪欲に他のメンバーの技術を盗み、更に出し抜いてやろうという気持ちはパーテーション越しにひしひしと伝わっていたように思えます。恐らく没頭する時間が良い意味での野心めいたものを高めるのだろうと思います。
現在のオフィスは開放的で、情報も絶え間なく飛び交い、当時のそれとは全く想像つかないくらい年月と共に雰囲気は変化しました。情報が豊富になることで、効率的になる反面、没頭できる時間が阻害されているのを目の当たりにします。
他にも様々な変化はありますが、もちろん我々のVision 『企業建築家集団』 は当時のままです。
ここ数年、3年後、5年後、10年後 具体的にどのような企業建築家集団を目指すのか?という問いについて考えてきましたが、年々環境や人員が変化する中で明快な答えが出せずにいました。出せなかった理由は今思えば簡単です、組織形態、つまり形を決め込もうとしていた為です。変化し続けるものの10年後の形態イメージは私の想像力ではできるはずもありません。
遅ればせながらそのことに気付いた瞬間に頭の中の霧が晴れ、同時に目指すべきものは形態ではなく状態であり、その状態は『企業建築家集団の日常行動』であると結論付けました。 それが冒頭の次年度方針です。
当時のように個々であったり、現在のようにチーム設計であったりと形態はさまざま変化しますが、 IT社会にフィットしつつ、設計に没頭し 互いに刺激しあい 成長する姿が我々の強みであり、理想像である。 と考えると すっと腹落ちしました。そしてそんな日常が繰り広げられることを想像しました。
ある著書に『強い組織は見えない他社と競い合うのではなく、社内で競い合って成長している』 との1文がありました。我々もそんな姿を目指し、次年度の課題を通じて 設計全員の歩みが着実に 且つ 少しでも早くなることをイメージすると今からすでに楽しみでなりません。
しかしながら、恐らく簡単ではなく、試行錯誤すると思います。それでも設計メンバーの成長は全てそれぞれの財産になりますし、お客様の期待に応えられる力となります。その下支えとして粘り強く次年度の課題に精進する1年としたいと思います。