“直して使う”という選択
設計部の表です。
今週末の日曜日、1月20日は2019年の大寒となります。寒い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
私はついつい家の内で音楽を聴きながら本を読んだり、映画を見ながら編み物をしたり、のんびり過ごしてしまいます。最近は、学生時代に比べて夕食を作る余裕ができて、それと同時に背景となる「器」の魅力にやられています。
というのも、永く使っていた大切なお皿にひびが入ってきてしまい、もう寿命なのか・・・と半分あきらめていたところ、大学で漆を専攻していた友人に「金継ぎ」を教えてもらいました。
「金継ぎ」とは、器の割れや欠けに漆を塗って接着し、継いだ部分を金などで装飾しながら修復する、日本の伝統的な器の修復方法です。今回は黄色のお皿なので、金粉ではなく、銀粉を使って仕上げをしました。壊れてしまった器が堅牢に修復されるのは嬉しく、感動がありました。
しかし、「金継ぎ」の最大の魅力は、偶然のひびや欠けに装飾をすることで、元の器とは違った愛着が生まれてくるところです。まるで満月にイナヅマが落ちたような味わいがでて、とても気に入っています。銀のラインが入ることで計算してできる線ではないのがおもしろいです。
本物の漆を使って直すことは手間も時間もかかりますが、愛着あるものを愛おしみながら修理することも楽しく、そういったものは、修復する前よりもさらに大切なものになります。
アルスホームの設計コンセプト「5つの約束」に、「住み継がれていく愛着を大切にします」という言葉があります。現在はお客様と直接お話しをする機会はありませんが、図面を作るという形で家づくりに微力ながら関わっています。2019年も1つ1つの仕事を覚えて、何事にも愛をもって取り組んでいきたいと思っています。
皆様も壊れたものを捨てて新しいものを買うという習慣に頼らず、“直して使う”という選択をして身の回りの道具を大切にしてみませんか。