変わりつつある住まいのかたち
皆さんこんにちは、企画開発部の青木です。
「新しい生活様式」というものが示され、気が付けば、もうすぐ一年になろうとしています。
そして、その事によって私たち住宅を提案する側も変化を余儀なくされています。
少しややこしい表現をすると、住宅とは「何か」と「何か」の関係性をどう捉えるかによって変化します。
例えば『「部屋」と「部屋」』『「人」と「物」』『「室内」と「室外」』の関係性といった具合です。
そうした視点で捉えると、今回の様々な変化の内、影響が大きなものは、テレワークに代表される『「職」と「住」』の関係性ではないかと考えています。
「プライベートの自分」に「パブリックの自分」が限りなく近づくこと。その境界があいまいに混ざり合うこと。これが『「職」と「住」』の関係性の、本質的な変化ではないでしょうか。
一次産業が中心であった時代、そもそも職・住は分離されていませんでした。その昔、「ニワ」とは家の前で作業する場とも言われており、暮らしの中で「どこからが仕事」という線が明確では無かったようです。
やがて時代は変わり、高度成長期の中でサラリーマンが大量に生まれる事によって、「職と住」・「ONとOFF」が明確に分離され、住宅のつくりも「〇〇LDK」という「個と家族」の居場所の分離が、近代化と捉えられました。
「豊かな暮らしとは何か?」が分かりやすく共通認識されていた時代かも知れません。
現在は「多様性の時代」と言われています。
SNSを中心とした膨大な情報の中で、「豊かな暮らし」が単純化できなくなっています。
「仕事もプライベートも充実する」という表現が古くさく感じられるほど、「ONとOFF」「ハレとケ」の区別なく、仕事を含めた日々の生活全てが、「自分にとっての新しい価値」を探すこと。その「自分にとっての価値」が多用であること。
つまるところ、住まいづくりとは多様化する価値観の中で「自分にとっての豊かさとは何か?」への返答であると言えます。
アルスホームの企業理念には「新しい暮らしを提案しよう」という言葉があります。
住まいの変化・新しい暮らしとは、生活者の価値観の変化から生まれます。
今後も自分自身が、いち生活者としての視点を忘れず、「新しい暮らし」を見据えて行きたいと思います。