余白を愉しむ

最終更新日:2021.03.05

皆さん、こんにちは。富山第一支店 設計課の中村です。

                     

3月に入り、過ごしやすい気温となり、少しずつ春の気配が感じられる季節となってきました。

 

 さて、皆さんは昨年から続くコロナ禍の中、ご自宅でどのようにお過ごしでしょうか。私は家族で外出することも少なくなり、家で過ごす時間が圧倒的に増えました。

今までは、忙しい日常から気持ちの余裕を求めて気分転換のために外出することが多かったように思えます。そんな中、家時間を過ごす上で、「心地良さ」とは何かについて、思いを巡らすことが増えたように思います。

 

我が家では、息子も4歳となり、休日にはおもちゃも溢れてしまうことが多く、片付けも追いつかないこともありますが、心地良さを得るためには、まず「心にゆとりを持つこと」がスタートだと思います。

忙しい日々が続くと、頭の中も整理されませんし、心にゆとりを持つことも儘なりません。

スケジュール管理を徹底して計画的に行動したり、人と話すことで余裕が生まれたり、からだを動かしたりする・・・など、心地良く生活するために、人それぞれ様々な工夫をされているのではないかと思います。

 

では、私の仕事である住宅設計において、いかにして心地良い暮らしを提供できるのか・・・

 

 

私は「住まい手らしい豊かさ」を考えるきっかけを作ること」だと思っています。

やはり家族構成も違えば、趣味嗜好も人それぞれ異なり、心地良さの指標も千差万別だと思います。

そんな様々な価値観の溢れるご家族の暮らしをデザインする中で、ソファやダイニングチェア、キッチン等のような日常的に過ごす場所の居心地ももちろんですが、「余白のある空間」を意識して設計したいなぁと思っています。

 

 

なかなか言葉で表現するのは難しいのですが、例えば、今日は窓辺にイスを出して読書を愉しんでみよう、ハンモックに揺られながら、うたた寝したり、気分を変えて、観葉植物や素敵なチェストを置いてみようかな・・・または、スッキリした壁に写真を飾ってみようかな・・・

といったように、日常過ごす居場所に+αのようなゆとりのある居場所を意識的に設けることで、日常の過ごし方にまた新しい過ごし方が生まれ、それがそのご家族固有の心地良い時間になってほしいと思います。

 

料理の盛り付けもお皿に余白を残して盛り付けると、自然と品良く見えて、一層美味しそうに感じますよね!

                   

 

我が家も自然と休日にはテラスに足を運び、子供の遊んでいる傍らで、コーヒーを飲んでみたり、ハンモックに揺られてみたり・・・    いつもの特等席のソファではなく、休日ごとに居心地の良い空間を探しながら、家時間を愉しんでいます。

                   

 そのように、住まい手が自ら意識的に心地よい居場所を見つけ、豊かな時間の過ごし方を考えることができるきっかけのような空間をつくることが、私たちの役割なのではないかと考えています。