馴染む
こんにちは。富山第一支店設計課の長谷川です。
陽が長くなりましたね。一日がゆったり感じ、得した気分になります。
毎回このブログでどんなことを書こうか考えるのですが
私の暮らしを通して、家づくりの事をお話できればと思います。
やっぱり今年も庭の話...
『 庭景色を愉しむ家 』をコンセプトに自邸を建築してから4年半
手を加えながら少しずつ緑が増えるにつれ、想いに近づいている事を実感します。
(4年半の変化)
「半日陰に植えましょう」
山野草の育て方で良く言われる条件です
半分の日陰って...漠然とした言い方ですが
日中で半分の時間、陽が当たる場所のこと
初めの頃はそんな場所がどこになるかも分りません
とにかく植える事が楽しくて
気に入った山野草を「何となく」であちこちに
フィーリングと見た目でこなしてきましたが
3年程経ってからようやく「半日陰」の意味を実感してきました
同じ山野草でも木陰がかかる場所は瑞々しい葉色に
木陰を受けない場所は色褪せ、次第に枯れて土だけが残ります
木陰で何気なく育つ草花を見ると
気分の高揚というより、「すっ」と穏やかな気持ちになりますが
炎天下のもとギリギリの状態で育つ草花はそうは思えません
痛々しくもあります
逆に木陰で衰退していくものもあり
自分が意図した姿ではなく、あるべきものたちが生き残って
景色をつくり出しています
初めから自分の意図が恣意的だった事に
今更ながら気づいた次第です
逆らわず、自然な姿にする。
そんなことが出来ずに、「 庭景色を愉しむ 」
なんて豪語していた自分が恥ずかしくなります
好みの草花を見つけるよりも
今ある草花の様子をよく観察し、変化に気が付く
5年目の今年はそんな事が楽しくなってきました
今までの暮らしの価値観やこれからの暮らしの変化に自然に馴染む
そんな事を設計できればと思います
ひょっとしたら住んでいても気づかない事ですが
それが永く心地良く暮らせる住まいの基かもしれません