設計士からのコメント

設計士（番匠）

【周辺環境】

南側に道路がある住宅地でのご計画です。
南側は陽射しを遮るものが無く、一日中明るい日差しが期待できます。ただ道路からの視線には配慮が必要です。オーナー様は当初景観が良い土地を探しておられましたが、ご希望の地域にその条件に当てはまる土地がありませんでした。その為、「家の中で景色をつくる」ことができないか検討し、南側の庭を室内に取り込むような空間デザインとすることで、オーナー様の想いに応えようと考えました。

【プライバシーを確保しつつ庭のある暮らしを気軽に楽しむこと】

外部からの視線をしっかり遮り、庭の眺めとLDKの落ち着き感を両立させたことで、ご家族が心置きなく寛げる空間デザインとしています。また、南側の庭では家庭菜園を楽しみたいとの想いがあると伺いましたので、庭仕事がしやすいよう軒の出を深くしテラスを設けました。軒の出テラスは室内と庭をゆるやかにつなぐ役割もあり、暮らしが外へと拡がる楽しさも感じて頂けます。家庭菜園ではハーブなどを育て、お料理中にもさっと採りに行ってそのまま使うことができ、気軽に庭のある暮らしをお楽しみいただきたいと考えました。

【家族空間をすっきりと見せるワークスペースの工夫】

キッチンの奥にワークスペースを設えました。ちょっとした作業ならダイニングテーブルでもできますが、時間をかけて行う作業の場合は、食事のたびに片付けるのは手間がかかります。そこでキッチン奥のワークスペースなら、頻繁に片付ける必要が無く、さらにリビングやダイニングからも見えにくくなっているため、作業の途中になっていても家族空間はすっきりとさせておくことができます。